
この春先から秋にかけて、アニメ「氷菓」が放送されていました。
最初はアニメ的派手さがなかったのでどうなんだろうと感じましたが、「愚者のエンドロール」でその構成の巧さに惹かれ、小説を出ている分買い、ラジオも聞くくらいにハマってしまいました。
アニメでは、表現が繊細で美しく、奉太郎とえるの関係性が強調されており、ニヤニヤしながら観られます。音楽はオーケストラアレンジで、静かな世界観と合っています。また、全体的に、小説ではしんみりと終わってしまう話を丸く収めていて、優しい話になっています。
小説では、米澤さんの言葉遣いと構成の巧さが光ります。特に、言葉の選び方が秀逸で、幾重にも意味が重ねられています。文章なので、アニメでは追いきれないキャラクター達の考え方が見え、一層深く読めます。
長い期間を経て書かれているので、初期の奉太郎の口調や設定に違和感がありますが、全巻通して読むと、古典部の面々の心の距離の変化がわかりやすく、リアリティをより感じられます。
特に、奉太郎の変化が微笑ましいので、「ふたりの距離の概算」のアニメ化が待ち遠しいです。
0 件のコメント:
コメントを投稿