2012/12/31

「古典部シリーズ」感想



この春先から秋にかけて、アニメ「氷菓」が放送されていました。
最初はアニメ的派手さがなかったのでどうなんだろうと感じましたが、「愚者のエンドロール」でその構成の巧さに惹かれ、小説を出ている分買い、ラジオも聞くくらいにハマってしまいました。

アニメでは、表現が繊細で美しく、奉太郎とえるの関係性が強調されており、ニヤニヤしながら観られます。音楽はオーケストラアレンジで、静かな世界観と合っています。また、全体的に、小説ではしんみりと終わってしまう話を丸く収めていて、優しい話になっています。

小説では、米澤さんの言葉遣いと構成の巧さが光ります。特に、言葉の選び方が秀逸で、幾重にも意味が重ねられています。文章なので、アニメでは追いきれないキャラクター達の考え方が見え、一層深く読めます。
長い期間を経て書かれているので、初期の奉太郎の口調や設定に違和感がありますが、全巻通して読むと、古典部の面々の心の距離の変化がわかりやすく、リアリティをより感じられます。
特に、奉太郎の変化が微笑ましいので、「ふたりの距離の概算」のアニメ化が待ち遠しいです。

2012/12/28

魔法使いの夜の感想



4月に魔法使いの夜が発売されて、すぐにクリアしましたがブログに書き残してなかったので、感想を書こうと思います。



長年ゲーム化が待ち望まれた「魔法使いの夜」ですが、とても楽しくプレイできました。

端麗な絵がこれでもかと動きまわる様は、ノベルゲームをしているというより、アニメを見ているような感想をいだきました。
一枚一枚の絵が、さすがのクオリティで、冬の空気感がとてもでています。

お話の方はいつものきのこ節で、ぐいぐい引き込んでくる感じです。
月姫プレイ済みなので、結末がどうなるかは知っていたので予想外な展開は少なめでしたが、キャラクターの個性が強く、とても魅力的です。
三部作のうちの一部目だということや、選択しがないなどの要因で全体的に短く感じますが、続編は作るそうなので期待しておきたいと思います。

「誰も寝たりしてはいいけど笑ってはならぬ」で唯一選択肢がでてきます。この選択肢がまた型月っぽいです。
「はちみつを巡る冒険(付属小説)」では見事にミスリードにはまってしまいました。
上のイラストでも題材にしましたが、”はちみつ”の言葉遣いが良いです。何が誰にとってはちみつなのか。

音楽の方は、良い意味でTYPE-MOONぽくなく、オーケストラアレンジの荘厳なイメージの曲が多く、好みでした。サントラもオススメです。


物語の季節は冬なので、今またプレイしてみるのもいいのではないでしょうか。
ちなみに、PCでフルスクリーン表示すると解像度が足りない感じになってしまいますが、TVに出力すると綺麗に映ります。